人体の発生熱

TRNSYS18で、人体の発生熱を設定してみよう~♪の巻。

TRNSYS18(TRNBuild)のGain Libraryには、よく利用される照明や機器、人の発熱のデータが多く用意されています。
人の発生熱では、活動量などにあわせて、2013 ASHRAE Handbook Fundamentals, DIN EN 13779, VDI 2078, SIA 2024から、97種類もあります。

・ASHRAE :American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers
・DIN EN :Deutsches Institut für Normung – European Norm
・VDI :Verein Deutscher Ingenieure e.V.,(The Association of German Engineers)
・SIA :The Swiss Society of Engineers and Architects

これらのライブラリを用いて人体発熱を設定する場合には、
[TRNBuild Navigator]→[Regime Types]→[Gain/loss Types]を右クリック [Add Gain from Library]で追加します。

Regime TypesのGain/loss Typesから追加

人の発生熱は、おおよそ100W(360kJ/h)とよく言われますが、座っていたりや軽作業でも発生熱が異なることが、この表からもわかりますね。

続いて、自分で人体発熱を設定する場合についてです。
主な設定は、顕熱(放射と対流)と潜熱です。

ここでは、住宅性能表示制度に関する特別評価方法「年間暖冷房負荷量の計算方法を用いて評価する方法ベンチマークテストより、 次の条件で設定してみます。

設定条件:
在室者からの発熱量は作業強度2のものとする。(全熱発熱量106W/人、24℃の時の顕熱発熱量 62W/人)

新しいGain Typesは、[TRNBuild Navigator]→[Regime Types]→[Gain/loss Types]を右クリック[Add Gain]で追加します(下図)。

(1)Gain typesの名前は任意です。他、カテゴリーと設定する単位(1人当たり、㎡当たり)を選択します。

(2) 人体発熱の顕熱(放射と対流) を設定します。
ここでは、放射と対流に顕熱発生量の半分ずつを設定する*とし、顕熱発生量62W/人の半分の31W(111.6kJ/h)をRadiative, Convectiveの両方に設定します。

* 梁 禎訓, 加藤 信介, 林 立也, 村上 周三:実験及び数値サーマルマネキンを用いた室内環境における人体各部位の対流熱伝達率の測定, 日本建築学会環境系論文集, 第69巻, 第584号, 2004

(3)人体発熱の潜熱を設定します。
全熱発生熱106W/人のうち、顕熱発生量が62W/人なので、潜熱発生量は44W/人です。
44Wは158.4kJ/h, 水の蒸発潜熱2454kJ/kgから、158.4/2454=0.06454[kg/h]を設定します

顕熱(放射と対流) 、潜熱の設定

㎡あたりでの設定や、実測結果などのデータがあれば Inputとして引き渡すことも可能です。

データが揃えば、人間以外の動物の発生熱も、設定できそうですね。わお!

以上、over!!